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痛風治療薬の元祖 コルヒチン

コルヒチンは痛風の炎症の発生を予防する為に用いられる抗炎症薬です。

このコルヒチンはユリ科の植物由来の薬品なのですがその歴史は非常に古いようで、古代エジプトでは既にリウマチの治療等に使われていたとも言われています。
コルヒチンは痛風の発作の予防・抑制効果が認められている為、痛風治療の現場では何世紀も前から利用され続けてきた、いわば痛風治療の元祖とも言える薬品なのです。

コルヒチンの働き

痛風の原因は、血中の尿酸値の高まりに伴って体内に尿酸結晶が発生する事にあるとされていますが、そもそも痛風の発作時の痛みや炎症を直接的に引き起こしている犯人は、実は私達の体内の免疫機能なのです。

体内に蓄積された尿酸結晶に対して体の免疫機能が反応してしまった結果、「好中球」という白血球の一種が大量に患部まで押し寄せ、尿酸結晶を外敵と認識して攻撃し始めるのですが、この攻撃中に好中球が炎症を起こす物質を放出してしまう為、それがあの発作時の激痛や炎症を招いてしまうのです。

コルヒチンは体内のこうした免疫反応をあえて鈍らせる事で、体内の尿酸結晶に対して好中球が押し寄せて来ないようにして痛風の発作を予防させる事が出来るのです。

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コルヒチンの主な処方とは

コルヒチンの主な処方としては、なんとなく発作が起こりそうな予兆を感じた際に前もって服用しておく事で、予め体のセキュリティ機能を鈍らせて好中球が出動しにくい状態にさせて発作の発症を抑制するという使い方がなされています。

ただ、コルヒチンの作用は端的に言ってしまうと、あくまでも免疫機能が体内の尿酸結晶の存在に気付いてしまわないよう誤魔化すものでしかありませんので、ひとたび免疫機能が尿酸結晶に反応し始めてしまうと、誤魔化しきれなくなってしまい結局発作を発症する事になってしまいます。

これは例えるならば、コッソリ活動していた泥棒がパトロール中のお巡りさん達に一度でも発見されると、逮捕されるまで徹底的に追い回されるようになるのと同じ事ですね。
ですので一旦発作が発生してしまった場合、コルヒチンには炎症や痛み自体を無くすような事は出来ないのです。

発作発症時はとにかく早めに飲む

ただ、コルヒチンには前述したように体内の免疫機能を鈍らせる機能がありますので、仮に発作が起こって患部に好中球が集まり始めてしまったとしても、発症して間もない頃であれば急ぎ服用する事でそれ以上の好中球が出動してしまうのを抑制し、結果として痛みや炎症が更に悪化してしまう事を防ぐ事は出来ます。

発作の発症時は好中球が時間の経過と共にどんどん増加し、炎症を起こしている箇所に群がってきてより炎症を悪化させてしまうのですが、発作発症時の早期であればコルヒチンを服用する事でこうした症状の進行を鈍らせる事が可能なのです。

重度の痛風には「コルヒチンカバー」

重度の痛風を患ってしまい発作が常時頻発してしまうような方向けの処方として、「コルヒチンカバー」と呼ばれる服用方法があります。

これは発作の予兆の有無に関わらずコルヒチンを毎日定期的に服用する事で、発作の抑制効果を常時発揮させ続けるというものです。

ただ、コルヒチンには副作用がある為、長期的な服用は健康に悪影響を与えてしまいますので、このような服用法は必ず医療機関での指導の元に行う必要があります。


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